日本における慢性疼痛の有病率は、成人人口の22.5%とされ、推計患者数は約2,315万人に上ると報告されています。また、慢性疼痛による経済損失は、約2兆円に上ることが示されています。さらに、高齢者においては、慢性的な運動器疾患などが要介護あるいは要支援状態の原因となることも多く、超高齢社会の現状では、社会保障財源の逼迫や医療・介護の担い手不足などに影響を与え、慢性疼痛の対策の推進は喫緊の課題となっています。
慢性疼痛医療を担う痛み治療専門家、神経系・精神心理の専門家などの医療関係者を集結させて、慢性疼痛の診断や治療に関するエビデンスを示すこと、そして当センターは本邦ならびに岐阜地区に適した痛み診療システムを構築することを他地区の痛みセンターと協力して政策推進を目指します。
- 集学的痛みセンターの構築
- 慢性疼痛患者のデータベースの構築
- 最新の研究結果も取り入れた慢性疼痛診療におけるガイドラインの作成やその普及
- 国民への広報や医療者の教育、診療に役立つツールの開発
詳細は慢性の痛み政策ホームページ 「難治性の痛みに対応するための集学的痛みセンター」 を参照してください。
中部国際医療センターの活動
中部国際医療センター 痛みセンター(麻酔・疼痛・侵襲制御センター)でもこの政策を推し進めるため、多職種の専門家(ペインクリニック専門医、精神科専門医、理学療法士、臨床心理士、看護師など)が、それぞれの立場から意見を交換し、患者さんの痛みの軽減・日常生活の改善につながる活動を行っています。